印刷加工見本帳『デザインのひきだし27』を購入した話

2月の初めにTwitterで話題になった、鈍器・・・ではなく、紙印刷加工見本を集めた実物見本帳
『デザインのひきだし 27』を購入しました。


その重さ実測1.554kgで、内容の充実度からしても破格の安さ、2000円(税別)で販売中です。

昔、デザインの勉強をしていた事があり、とても興味があったので欲しかったのですが、口コミの効果をナメていて、ネット通販では早々に在庫が無くなりました。

→ 津田淳子さんはTwitterを使っています: "『デザインのひきだし27』発売から２週間足らずで、弊社在庫がなくなりました……。ありがとうございます！(ry
出版社在庫も無くなったものの本屋にはあるハズとの情報から、地元などの本屋11軒を巡って探したのですが、そもそもデザイン関連の本自体が殆ど見つからないという状態。
確実に買える都内まで探しに行くと交通費で割高になってしまうので諦めていましたが、2月25日頃にネット通販の在庫が復活してやっと買えた感じでした。

Twitterで話題にもなった表紙ですが、コレが凄くて紙に刺繍がしてあります。
触るとゴツゴツが気持ちいいですが、この刺繍は機械でも1冊辺りの刺繍時間は約40分もかかるとの事でした。

刺繍の様子は以下の動画で見れます。※音に注意


届いた本のビニールを開封すると、濃厚な紙とインク(インキ)と糊のニオイが空中を漂い、部屋が本屋のニオイに包まれます。
(本好きにはたまらない綴じ込み特典です。)

内容は、雑誌の表紙などに使われる様々な『箔押し』や、絵画集に使われる『広色域インキ』、点字の印刷に使われる透明な『紫外線硬化型インキ』、暗くしてカメラで撮影すると隠された何かが出てくる『忍者インク』などなど、加工見本は109種。
「おー」、「へ～」、「これは見たことあるぞ」と、終始うなりながら読み進めました。

気になった技術を1つ取り上げるなら『ななめもーる』です。
メモ帳などに使われている特許技術だそうですが、シンプルな構造ながら、めくってもめくっても紙の段落に同じ文字が出てくるのが面白いなと思いました。

他の内容については、公式ブログの制作日記を見たほうが分かりやすいと思うので割愛します。
→ 『デザインのひきだし27』特集関連付録がすごい！(1) : デザインのひきだし・制作日記

また、読み物としても充実しており、日本の印刷技術が明治時代に劇的進化を遂げたという話は、実に興味深かったです。

ちなみに、この本は強い製本技術で作っているので、大きく開いても大丈夫との事でした。

現代印刷美術大全特集の『デザインのひきだし27』、綴じ込み物多数のため、そっと開いてくださっている方がいらっしゃるようなのですが、PURで製本していますので、思いっきりガバッと開いていただいても本が壊れることはありません。 pic.twitter.com/Hpre5oztbh

— 津田淳子 (@tsudajunko) 2016, 2月 26

在庫無しで一度は購入を諦めましたが、肉眼で見て、手で触ってみないと良さや凄さが分からなかったものが殆どなので購入できて良かったです。

日本の紙印刷加工技術の凄さが分かった一冊で、仕事などで実際に印刷加工を注文する事は無くとも「あっ、この印刷って○○印刷かな。」と、本を手に持った時に楽しみが増える事うけ合いな一冊だと思い、また、これから紙の出版物のデジタル化が進んでいくと、将来、貴重な資料集になるのかもしれないなとも思ったのでした。


▼ Amazon・楽天ブックスリンク



→ Amazon：デザインのひきだし27

→ 楽天ブックス: デザインのひきだし（27）