するめを食べながら覚え書き

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Home > ブログ > レビュー - PCパーツレビュー > サブマシンの低消費電力化に挑戦、RADEON HD5670を購入偏

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サブPCの低消費電力化に挑戦シリーズの第二弾です。

前回の記事 → GeForce7950GTの低消費電力化に挑戦。まとめ。

第二弾は、グラフィックボード(以下:VGA)の低消費電力に挑戦したまとめ、その2です。
前回はGeForce7950GTの設定をいじって低消費電力化に挑戦しましたが、納得のいく結果が出ず、パフォーマンスも世代遅れという事を改めて実感し、GeForce7950GTの低消費電力化は諦めるという結果になりました。
そこで、VGAを新調。新たにRADEON HD 5670を購入して仕切り直す事にしました。
今回は何故、RADEON HD5670を購入したかについてです。

ざっくり、理由・・・というか結論を3行でまとめると
・RADEON HD6xxxシリーズを選ぶ理由が思いつかなかった
・外排気クーラーIceQを試したかった

・安かった

この3点になります。
とはいえ、他にも色々データを見て決めました。今回は、以上の3つの理由を要点において集めたデータをまとめてみたいと思います。
では、理由1つめ、RADEON HD6xxxシリーズを選ぶ理由が思いつかなかったについての説明です。
まず、Geforceは今回、比較選定に出て来ません。消費電力を第一に考えた時にGeforceはワットパフォーマンスが微妙なので、早々にターゲットから外れたからです。

話を戻します。
現在発売されているAMD RADEONの主力はHD5xxxxシリーズとHD6xxxシリーズとなりますが、HD5xxxシリーズとHD6xxxシリーズの主な相違点を、表で比較してみると以下となります。
   HD 5xxxシリーズ   HD 6xxxシリーズ
 発売時期  2009/9/26  2010/10/22
 GPUコア Hemlock,Cypress,Redwood,Ceder Antilles,Cayman,Barts,Turks,Caicos
 製造プロセス  40nm  40nm
 シェーダ世代  5.0  5.0
 DirectX世代  11.0  11.0
 OpenGL世代  3.2(ドライバで4.1対応)  4.1
 メモリタイプ  GDDR5 or GDDR3  GDDR5 or GDDR3
 UVD  UVD2.2  UVD3.0 or UVD2.2( HD6750,HD6770 )
 HDMI  ver1.3  ver1.4a
 DispkayPort  恐らくver1.1
(※1.2が出たのが
09年11月なので)
 ver1.2


▼相違点を探す

RADEON HD6xxxシリーズは本来32nm製造プロセスで作られる予定でしたが、TSMCが32nmの製造プロセスをキャンセルした為、40nm製造プロセスで登場する事となったHD6xxxシリーズと40nmプロセスで登場していたHD5xxxシリーズの大きな相違点は、アーキテクチャを変えただけという事になっています。


▼DX11対応。しかし、DX9性能を重視

AMD HD5xxxシリーズは、Nvidia GTx4xxシリーズとの戦いの時にDX11性能で負けていた面があった為か、HD6xxxシリーズではDX11を強化してきました。
しかし、DX11は、まだまだ対応ゲームが少なく、ハイエンドカード以外、十分なDX11性能が発揮されそうにありません。そんな現状ではDX9の性能のほうが重要だと考えます。

更にHD6xxxシリーズでは、省電力&低発熱の路線にシフトしてSP数を増やした変わりに、コアとメモリの動作周波数を下げたりしたので、モデルによってはDX9のベンチマークスコアがHD5xxxシリーズよりも劣っているものもあります。


▼UVD2とUVD3の違い
UVD(Universal Video Decoder)についてですが、名前の通りいわゆる、RADEONの動画再生支援機能で、動画再生時などにデコードの一部をGPUが肩代わりし、CPUの負荷を下げるというものです。GeforceでいうAvivoと同等の機能ですね。 → すみません、間違えました。Geforceの動画再生支援機能はPureVideoPureVideo HDです。
これがUVD2からUVD3になって何が変わったかというと、MPEG4 Divx/Xvidサポートと、MPEG2のデコード機能の強化、Blu-ray 3Dのデコード機能が追加されました。

詳しくは以下の記事の
4Gamer.net ― 「Radeon HD 6800」徹底分析。HD 5800から何が変わったのか?
15.jpg (JPEG 画像, 1024x576 px) ※この画像
を参照してください。UVDのバージョン差によるサポート範囲が判ります。


▼UVD3が必要かどうか
Blu-ray3Dについてですが、現状、ブルーレイ再生環境も3D対応モニタ環境も持っていないので、要りません。
次にMPEG4ですが、エンコードにはAVCの一般的なMPEG4を使っているので、今更DivXとXvidのMPEG4に対応しても・・・と言った感じです。

最後にMPEG2のデコードが強化されたことですが、地デジの配信方式がMPEG2なので、一応の恩恵はありそうですが、正直UVD2のサポートでも十分なんですよね・・・。
第一、動画支援系のデコーダを使うと、動きが激しいところで、どう設定してもインターレース溝が残ってしまうのがイマイチです。
この点、UVD3と対応デコーダでは改善されているのか、気になるところではあります。


▼HDMI1.4aとDisplayPort1.2の対応が必要かどうか
HDMI1.4aについてですが、大きな違いは4k(4096x2160dot)出力と3D出力への対応です。しかし、1.4に対応したモニターも関連装置も持っていないので、当面は要らないな、といった感じです。

DisplayPort ver1.2への対応も、対応モニターを持っていない&買う予定が無いという理由で当面は要りません。


▼カタログスペック比較

つづいて、RADEON HD5xxxシリーズとHD6xxxシリーズから補助電源端子の無い、低消費電力モデルを選んでスペックをまとめました。尚、データは以下のサイトから集めました。
RADEON - Wikipedia
4Gamer.net ― AMD,OEM向けGPU「Radeon HD 6670・6570・6450」の製品ページを公開。「Turks」「Caicos」のスペックが明らかに(Radeon HD 6600&6500) 

  HD 6670 HD 5670 HD 6570 HD5570 HD5550 HD 6450 HD 5450
 開発コードネーム Turks Redwood
XT
Turks Redwood 
PRO
Redwood 
LE
Caicos Cedar
PRO 
 シェーダプロセッサ数(SP)  480基  400  480  400  352  160  80
 テクスチャユニット数  24基  20  24  20  16  8  8
 ROP数  8基  8  8  8  8  4  4
 最大コアクロック  650MHz  775  800  650  550  625  650
 最大メモリクロック(GDDR5時)
(DDR3時、1.8Ghz相当
DDR2時、800Mhz相当)
 3.6~
4.0GHz
 相当
 4.0GHz
 相当
 4.0GHz
 相当
 3.6~
4.0GHz
 相当
 3.6~
4.0GHz
 相当
 3.6~
4.0GHz
 相当
(DDR3時
1,07~
1.6GHz
相当)
 1.6GHz
 相当
(DDR2時
800MHz
相当)
 メモリタイプ GDDR5
/DDR3
GDDR5
/DDR3
GDDR5
/DDR3
GDDR5
/DDR3
GDDR5
/DDR3
/DDR2
GDDR5
/DDR3
GDDR3
/DDR2
 メモリバス幅  128bit  128bit  128bit  128bit  128bit  64bit  64bit
 メモリ容量 512MB
/1GB
512MB
/1GB
512MB
/1GB
512MB
/1GB
 1GB 512MB
/1GB
512MB
/1GB
 消費電力(TDP)  12~86W  14~61W  10~44W
(DDR3)
/11~60W
(GDDR5)
 9.69~
42.7W
(DDR3)
 不明  9~27W
(GDDR5)
 6,4W~
非公開
(DDR2?)
 外部電源端子  なし  なし  なし  なし  なし  なし  なし
注意点としては、DDR3モデルは帯域幅が28.8GB/sしかなく(2.0GHz動作時)、GDDR5の帯域幅64GB/s(4.0GHz動作時)と比べ、およそ半分になってしまう為に性能が落ちる地雷モデルという事です。
また、メモリバス幅が128bitの半分の64bitのモデルも、性能が落ちます。
ただし、消費電力も大幅に落ちるので、消費電力目的で買うのは有りかもしれません。


▼実際のスペック比較

ネット上から、3Dmark06のベンチマーク結果を集めました。なので、テスト環境はバラバラです。参考程度でお願いします。
ベンチマークテストをDX9世代の3Dmark06に絞ったのは、XPを使うからDX11は使わない、この価格帯のDX11性能には期待していない、という理由からです。

その他のベンチマーク結果については、以下の各記事が参考になります。
Charts, benchmarks 2010 Gaming Graphics Charts (High Quality), 3DMark06 v1.1.0
4Gamer.net ― 「Radeon HD 6570」GDDR5メモリ搭載版レビュー。もう1つの「Turks」コアは市場で立ち位置を確保できるか(Radeon HD 6600&6500)
4Gamer.net ― 「Radeon HD 6450」&「GeForce GT 520」動作検証。ローエンド市場向けモデル2製品の実力を確認してみる(Radeon HD 6400) 

  HD 6670
(GDDR5)
HD 5670
(GDDR5)
HD 6570
(GDDR5)
HD 5570
(GDDR5)
HD 5570
(DDR3)
HD 5550
(DDR3)
Core i7
-2600K
HD 5550
(DDR2)
HD 6450
(GDDR5)
HD 5450
(DDR3)
3Dmark06
総合スコア
(1280x1024)
12526 
(4亀)
11565
(Tom's)
11085 
(4亀)
11205
(4亀)
8434 
(Tom's)
8520 
(Tom's)
7153
(4亀)
5007
(4亀)
4721 
(Tom's)
6140
(4亀)
 3826
(4亀)
スコアは大台の10,000は超えたかったので、購入候補は、HD6670か、HD5670、HD6570から選ぶ事に決めました。また、性能はHD6670>HD5670≒HD6570という事も判りました。


▼実際の消費電力比較
数値だけを抜粋しています、グラフを確認したりGeforceとの比較を知りたい方は各記事を参照してください。
計測結果は、システム全体の消費電力となっています。


◇環境1 - 4Gamerのベンチマークその1
4Gamer.net ― 「Radeon HD 6570」GDDR5メモリ搭載版レビュー。もう1つの「Turks」コアは市場で立ち位置を確保できるか(Radeon HD 6600&6500)

計測環境:CPU、Core i7-975 EE/3.33GHz、メモリ2GB×3枚、HDD
  HD 6670
(GDDR5)
HD 5670
(GDDR5)
HD 6570
(GDDR5)
HD 5570
(DDR3)
 消費電力(アイドル時)  133W  136W  131W  128W
 消費電力(高負荷時、3Dmark06)  233W  236W  229W  226W


◇環境2 - 4Gamerのベンチマークその2
4Gamer.net ― 「Radeon HD 6450」&「GeForce GT 520」動作検証。ローエンド市場向けモデル2製品の実力を確認してみる(Radeon HD 6400)

計測環境:CPU、Core i7-2600K/3.40GHz、メモリ2GB×2枚、HDD
  HD 6570
(GDDR5)
 HD 5550
(DDR3)
Corei7 -2600K HD 6450
(GDDR5)
HD 5450
(DDR3)
 消費電力(アイドル時)  51W  51W  40W  46W  49W
 消費電力(高負荷時、3Dmark06)  137W  130W  122W  126W  128W


◇環境3 -クレバリーのベンチマーク

この他に、パソコンショップ、クレバリーのベンチマークデータが参考になりました。
ビデオカードのベンチマークをまとめて測定!【クレバリー】
Geforceとの比較もあります。また、クレバリーのデータは数値データだけですが、有志の方がグラフにまとめてくれているので、ありがたかったです。
最近のグラボ19種類30組でベンチマーク by.クレバリー - BTOパソコン.jp

計測環境:CPU、Core i7-950/3.30GHz、メモリ2GB×2枚、HDD
   HD 5670  HD 5570  HD5450
 消費電力(アイドル時)  93W  92W  90W
 消費電力(高負荷時)  200W  190W  190W
消費電力は、HD5670>HD6670>HD6570という事が分かりました。
ここまでのデータを見て、ワットパフォーマンスを考えると、HD6570が一番良さそうに感じます。
では、次の理由に移ります。


▼IceQを試したい
第二の理由に、外排気クーラーIceQを試したかったという事があります。
IceQは、HIS(旅行会社では無い)から出ているVGAに付属する、オリジナルのGPUクーラーです。
このクーラーは外排気と静音性を売りにしていて、人気が高い商品となっています。
SQ1-21-4-400.jpg

外排気クーラーが欲しかったのには、いくつか理由があります。
一つに、ケース内に排熱を撒き散らしたくなかったということがあります。= マザーボードや電源の寿命を伸ばすということにも繋がります。
また、ケースFANを減らしたまま維持したかった = 低消費電力と静音化に繋がる、という事もあり、どうしてもIceQを試したかったという理由がありました。

HD6xxxシリーズでも、待てばIceQクーラー(現在は冷却性を高めたIceQ X)のモデルが出てくる事が想定されますが、HD6850の時はHISのIceQ Xモデルが出てくるまで3ヶ月かかっているようなので、今から3ヶ月後というと、HD7xxxxシリーズが出て来る前となり、そうなると、HD7xxxシリーズを待ちたくなってしまいます。
また、夏前に低消費電力化を進めたかったのでHD6xxxxシリーズのIceQモデルを待つのはやめる事にしました。

最後の理由は、HD5670が安かった事です。
価格を表にまとめたものは以下。
   HD6670  HD6670  HD5670 HD5670   HD6570
 メーカー/商品名  HIS/エイチ・アイ・エス H667F1GD  SAPPHIRE/サファイア
ATLANTIS
RADEON HD 6670
1GB PCI-E BOX
 HIS/エイチ・アイ・エス H567Q512  SAPPHIRE/サファイア
ATLANTIS
RADEON HD 5670
GDDR5 1GB PCI-E BOX
  
玄人志向 RH6570-E1GH/D5
 メモリタイプ/容量/備考  GDDR5/1GB  GDDR5/1GB GDDR5/512MB
/IceQクーラー
GDDR5/1GB GDDR5/1GB
 値段(最安値)  9,980円  10,441円  6,800円  9,181円  8,980円
HD5670は大変コストパフォーマンスが良いです。HD6570が出たことで、在庫限りの処分特価も始まっているようです。
残念ながらHD6570はDDR3のモデルがほとんどで、表の玄人志向の商品くらいしか選びようがありませんでした。


こうして、散々迷った結果、RADEON HD5670を購入する事にしました。
メモリの量ですが、あくまでサブPCでの用途と考え、512GBモデルを選びました。GDDR5 1GB搭載のIceQモデルが売って無かったというのもありますが、大変悩ましい点でした。

次回はベンチマーク偏に移ります。


次回の記事 → RADEON HD5670の低消費電力化に挑戦、それとレビュー

2016/01/28:添削修正

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無題
>GeforceでいうAvivoと同等の機能ですね。

誤植かな?
mm 2011/05/30(Mon)00:29:24 編集
完全に誤植です
mmさん、指摘ありがとうございます。
間違えたまま気付いていませんでした;

AvivoはRadeonの機能でした。Geforceの動画再生支援機能はPureVideoでしたね。
修正します。
ryuun@管理人 2011/05/30(Mon)01:27:51 編集
インターレース溝
HD5670の事を調べていて、こちらにたどり着きました。
詳しく検証されていて、大変参考になりました。

PCでDVD再生している時の「横縞」が気になっていたのですが、
記事中の「インターレース」の説明を見て、無事に解決が
出来ました。

ありがとうございました。
黒猫 2014/02/22(Sat)14:32:03 編集
> 黒猫さんへ
コメントありがとうございます。

まとめているうちに長文になってしまって大変だった記事ですが、黒猫さんのお役に立てた様で良かったです。
今読み返すとインターレスって誤植してますね・・・。修正しておきます。
ryuun@管理人 2014/02/23(Sun)23:23:58 編集
無題
2018年ですが・・・Sandy世代のPCに乗せるグラボHD6000、HD5000シリーズのスペック検索でたどり着きました。
非常にわかりやすい比較表など、大変参考になりました。
ありがとうございました。
名無し 2018/08/01(Wed)11:15:35 編集
> 名無しさんへ
名無しさん、お役に立ててなによりです。

PCが壊れたとか、最新ゲームを最高画質でプレイしたいなどの欲求が無い限りは、Sandy世代と旧世代GPUもまだまだ使えますね。
うちでも第1世代と第3世代のintelコアCPUがバリバリ現役です・・・。
ryuun@管理人 2018/08/29(Wed)20:32:50 編集
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