2014年、ついに赤く無くなったTV版『千と千尋の神隠し』をメモ

先日、2014年11月21日の日テレ系列『金曜ロードSHOW!』にて放送された、(宮﨑駿監督アカデミー名誉賞受賞記念)TV放送版『千と千尋の神隠し』にて、映像の「赤み」がついに消えました。

【朗報】千と千尋の神隠しが赤くない！！！ pic.twitter.com/XJtOPVhZVg

— Eternal_in_Frame (@EternalBrain) 2014, 11月 21

(※画像はTwitterの方より。2001年とテロップが入った画像は、番組の冒頭にあった記念映像のものです。)

裏番組では、先日亡くなられた高倉健さんの追悼特番『南極物語』のHDリマスター版が放送していてどちらを見ようか迷いましたが、赤くない千と千尋の方が気になったので最後まで視聴。
赤飯の様にも見えた『おにぎり』も白米に見える様になり、夕暮れの様だった青空が青く、ハクの色が文字通り白くて、雑念無く楽しめました。

また、今までは2ｃｈ実況板やSNS上で映像が「赤い」というコメントを必ず見かけましたが、今回は「綺麗」「赤くない」「録画しとけば良かった」というコメントが多かったです。

■映像が赤い問題

この問題は、劇場公開から1年後の2002年に発売された「DVDの映像が赤い問題」まで遡ります。
「劇場版や、海外版DVDの映像は赤くない」事から、当時のネット上で様々な憶測が飛び交い、各所にクレームを送る人や、デジタルで解析・解説記事を出す人が現れるなど、ちょっとした騒動になりました。
→ 千尋DVD
→ 千と千尋が赤い理由

最終的に裁判沙汰にまで発展しましたが、2004年9月に「和解」という形でDVDのリコールはされず、結局のところDVD購入者は泣き寝入りの形にて終了。
→ 「千と千尋」訴訟が和解　ＤＶＤ映像色合いめぐり
→ 「千と千尋」ＤＶＤ訴訟が和解 京都地裁（京都新聞） - 暫定日記 / 日々の泡
→ 千と千尋の神隠しDVD色調問題訴訟和解: なにもない映画館
(身近では、ジブリファンの友達がDVDを購入して被害者になっており、可愛そうでした。)

2004年12月にTV初放送。しかし、TV版でも赤かかった事から問題が再燃して話題に。

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その後、改善されないまま7年経過・・・。

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全国の『地デジ化』がほぼ完了した2011年のTV放送で映像がHDリマスター化された時に、赤みが和らいで「やや改善」されましたが、それでも、前回2012年のTV放送時まで映像の印象は「赤い」ままでした。
(※2012年のTV放送については以下の方の記事を参照の事)
→ だいきん日記 Ver.6 ＠WP – 千と千尋の神隠しの色調補正

2013年9月には宮﨑駿監督が引退。
劇場公開から10年が経ち、これ以上映像は改善されないかと思いきや、2014年のBD化で、説明告知も無く当たり前の様に「色が改善」されました。
→ 「今度は赤くない！」という声も……宮崎駿監督作品『千と千尋の神隠し』のBlu-rayディスク発売 ｜ ガジェット通信

今回の2014年11月の放送は、そのBDソースをTV版に持ってきたものだと推察されています。
尚、ED部分の映像が赤かった理由は謎です。

【悲報】せっかくのエンディングで赤くなるorz pic.twitter.com/zKaVkDCD1B

— Eternal_in_Frame (@EternalBrain) 2014, 11月 21

以下の様にスタッフロールの白文字の色を抽出すると赤い事が分かり、演出と考えても不自然な部分でした。

抽出箇所：「作曲・歌    木村 弓」さんの「木」より。


※2016/03/16：DVD和解年のミスを修正