オービタル社のアンタレスロケット初打ち上げをNASATVで視聴した時の話

2013年4月22日の早朝に、アメリカの民間企業、Orbital Sciences社(オービタル サイエンシズ)のロケット、『ANTARES(アンタレス)』の初打ち上げがあり、その様子をNASA-TVで見たので、スクリーンショットを交えて軽く紹介したいと思います。

打ち上げ自体はニコ動の宇宙コミュで知りました。ニコ生での放送自体は以下にタイムシフトが残っています。
→ 【生中継】打ち上げLive-​神秘のロシアロケットエンジン​４０年の時を超えて処女飛行【​アンタレス】 - 2013/04/22 05:00開始 - ニコニコ生放送


発射場はアメリカ バージニア州 ワロップス飛行施設です。
前日まで2日間打ち上げが延期されていたので、この日もどうなるか分からなかったのですが、空の条件も良く打ち上げの運びとなりました。


日本時間、AM6:00にロケットは発射されました。
一段目エンジンで使っている液体燃料(ケロシン・液体酸素)の特性なのか、殆ど煙は出さずに炎だけ出して空の彼方に消えて行きました。

ロケット側面のカメラからの映像です。
一段目のエンジンはロシアのNK-33、推進力は最高ながら諸事情で40年以上使われず眠っていたという幻のエンジンです。


第一弾エンジン切り離し。
綺麗に分離されましたが爆砕ボルトによる分離では無いらしいです。
バネらしきものが見えていますが、分離に使ったものかもしれません。


フェアリング分離ですが、こちらも爆砕ボルトは使ってないらしいです。
確実性が高いので分離には爆砕ボルトがよく使われますが、爆砕ボルトを使わないで成功させているという事は、代わりの技術としてかなり信頼性のおける技術が使われているのでしょう。
一体どんな技術なのか気になる所です。


日本時間6時5分40秒頃、二段目エンジン点火。


二段目のエンジンはミサイル技術の転用で固体燃料が燃料のエンジンです。
固体燃料の炎は、液体燃料とは違う炎の様相で、何というか綺麗でした。

この後、ロケット三段目の切り離しが終わってミッションが成功しました。


歓喜している管制室の様子です。


打ち上げ後の発射台です。
この発射台でロケットが打ち上がるのかという位、こじんまりしていますね。


今回の成功により、2008年に国際宇宙ステーション(ISS)への補給を目的としてNASAと契約した民間企業2社のロケット打ち上げが成功しました。
→ NASA、SpaceX社とオービタル社と契約 | ISS | sorae.jp
→ NASA、SpaceX社とオービタル社と契約 | ISS | sorae.jp - ※アーカイブ
オービタル社は、ISSとのドッキング・切り離しまで成功したSpaceX社のドラゴン補給船とは違い、これからシグナス補給船を載せたロケットを打ち上げる段階ですが、今回の打ち上げを見る限り、あっさりとシグナス補給船のISSのドッキングミッションも成功させそうな感じがします。


※2015/11/11：リンク修正、添削修正