古い電気もちつき機の記事に懐かしさを覚える

→ 【わたしの思い出家電】ナショナル「電気もちつき機 SD-1803」-家電Watch
家電Watchのこの記事を見て、懐かしさを覚えました。

我が家でも、祖父が生きていた頃に正月の風物詩として毎年、電気もちつき機によるもちつきがあったからです。
家で使っていたのは、記事と同じもちつき機では無いのですが、やはり古い、『つく・こねる』だけ出来るタイプのシンプルなもちつき機で、毎年1回、正月のもちつきの時だけ姿を現していました。


まず、正月の朝は、祖父母が薪を使ったお釜でもち米を蒸している風景を見る所から始まります。
薪の匂いと煙が立ち込める中、暫くしてもち米が蒸し上がるので、もち米をもちつき機に投入。
(子供の頃の私は、この蒸しあがったもち米に醤油を垂らして食べるのが大好きで、「もちが出来るまで待ってろ」と言われつつも貰っては食べていました。)
もちつき機のスイッチを入れると、もち米が動き出すので、最初だけ、もち米がもちつき機にくっつかない様に、水とヘラで祖母がサポートを入れます。
ここからは文明の利器という感じで、「グオングオン」という大きな音と共に、もち米が潰れてコネ繰り返されて、あっという間にモッチリテカテカでまん丸なお餅が出来上がります。
出来上がったお餅は、その場で一口サイズに取り分けられ、砂糖醤油・きな粉・大根おろしに絡めたり、海苔を巻いて家族で美味しく食べました。

残ったお餅は、片栗粉を敷いた木の板の上に置かれて平らに整形。
お餅の乾燥を待って後日、四角いお餅に切り分けられ、大体は1月の内に消費します。
また、タッパー保存しきれない余ったお餅は時間と共にカラッカラに乾いてしまうので、油で揚げてオカキとして食べました。
ビニール袋に出来上がったオカキを入れて醤油を絡めたものは、どんな市販のオカキよりも美味しかったものです。

祖父母が亡くなり、そんな風物詩が無くなって暫く経ちます。
今ではもちつきが半自動式だった時代も代わり、『蒸す・つく・こねる』が一度に出来る、全自動式の電気もちつき機が売っている時代になりました。
いつか、『正月のもちつき』という風物詩を復活させたいとは考えているのですが、全自動式だと風情自体が無くなり過ぎる気がします。
ただ、お釜で薪から蒸し上げて作るもちつきは、片付けも含めて大変な作業だなと思うので、その辺も含めて現在悩み中です。