中国が月へ。月探査機打ち上げの様子をCCTVで視聴した話

日本時間12月2日午前2時半頃に、中国から月探査衛星『嫦娥(じょうが)３号』と、月面調査車『玉兎(ぎょくと)号』を積んだロケット『長征３号Ｂ(CZ-3B)』が打ち上がりました。
成功すれば、アメリカとロシア(旧ソ連)に続く偉業となる訳ですが、このライブ放送を中国国営放送CNTVの英語版サイトであるCCTVで視聴したので、放送時のキャプチャー画像と共にダイジェストで紹介してみたいと思います。

日本国内でのニュース記事は以下です。
→ 時事ドットコム：月面着陸へ探査機打ち上げ＝嫦娥３号、無人車を搭載－中国
→ 中国初の月面着陸へ…探査衛星打ち上げ成功 : 科学 : YOMIURI ONLINE（読売新聞）

尚、発射自体には間に合わず途中から見たので、リプレイ映像も含みます。
→ http://www.cntv.cn/ ※中国网络电视台-CNTV(China Network Television)トップページ
→ http://english.cntv.cn/live/p2p/index.shtml ※CCTV(China Central Television)ライブ放送ページ(英語版)
→ 【生中継】中国月面探査機「嫦娥3号」打ち上げ【長征３B】ニコニコ生放送 ※ユーザーニコ生の宇宙コミュによるミラーです。

■ロケット発射
 
爆発する事無く、オレンジの炎を出して宇宙に飛び立って行きました。

中国といえば、既に有人ロケットの発射を成功させていますが、続いて月の探査に向かえるなんて、何というか羨ましいですね。




ちなみに、Wikipediaによると、長征３号Ｂは中国のロケットの中では一番、物を宇宙に運べるロケットだそうです。
→ 長征3号 - Wikipedia
あと、調べていて気付いたのですが、Wikipediaで作られている長征3号の記事って、ドイツ語・フランス語・スウェーデン語・中国語・日本語の5ヶ国語しか無いのですね・・・。
もしかして、世界的に注目されてないロケットなのかな？と考えてしまいました。

■3・2段ロケット分離

意外にも？他国のロケット打ち上げ放送と同様に、ロケットに取り付けられたカメラの映像も放送してくれました。

■衛星分離

CG映像で、衛星分離の様子もきちんと説明。こういう部分も他の国の放送と変わらないクオリティです。


この分離映像が凄かった。( ゜Д゜)

金色に輝いているのが月探査衛星で、右の漆黒が宇宙。左の闇が地球で、狹間の光は地球に反射した太陽光です。
どの国のロケット打ち上げ放送でも見た事が無いような、芸術的・幻想的映像でした。


スラスター噴射で姿勢制御。


ロケットの飛行経路です。中国上空から台湾を通って南米方向に向かった様です。(下の人はヒヤヒヤ物ですね。)
そして、嫦娥三号と書かれているところで衛星を分離しました。


ロケットからの映像は終了。状況を表すCG映像に変わりました。

■太陽光パネル展開

太陽光パネル展開をCGで説明 。

■管制室



管制室の様子はこんな感じでした。
大きな空間の割に、ぎゅうぎゅう詰めになっているなと思いました。


西昌(Zichang)衛星センターのディレクターによる演説があり、打ち上げミッションは成功に終わりました。

ニコ生の宇宙コミュで翻訳をしてくれている台湾の方の訳によると、演説の内容は以下の様なものらしいです。

「ここで、衛星センター全員を代表して、みなさんに感謝します」
「私の宇宙の夢、それも中国の夢」
「すべては我が民族の栄光のために」

やや堅苦しい感じがしますが、いかにも中国らしい演説だなと思いました。


■月探査イメージ

月着陸時のCGイメージもありました。


現在、中国と日本は色々な問題が勃発していて、呆れてしまう状況ですが、そういう事を抜きにして、今回の打ち上げは正直「凄いな」と思ってしまいました。
冷戦時の米ソといい、軍が深く関わっていると宇宙開発が賑わうみたいですね。
日本には真似できない事なので、羨ましくて「ぐぬぬ」な感じです。

これから5日かけて衛星は月へと到達する事となりますが、果たして上手くいくのか、今後の進捗が気になるところです。